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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科36巻8号

1982年08月発行

トピックス

卵巣の広汎な浮腫

著者: 広井正彦1

所属機関: 1山形大学医学部産科婦人科

ページ範囲:P.634 - P.634

文献概要

 1969年Kalstoneら1)により,下腹痛,不妊,男性化などを伴った卵巣の広汎な浮腫を認めた4例を報告されて以来,同様な症例が多く報告されるようになった。
 最近,Slotkyら2)は,2例を報告している。すなわち,第1例は18歳未産婦,腹部の進行性肥大で入院した。月経も初経13歳,以後正順,生来著患は知らなかった。骨盤内に腫瘍を触知,腹水および胸水を認めた。腹水6,000mlを排除,左卵巣は13.5×11.5×9cm,550gに肥大していたので摘出したが,実質は広汎な浮腫を認める以外,悪性所見は認められなかった。第2例は13歳の少女で,右下腹痛で入院した。患者は数カ月来,間歇的な下腹痛を認めた。虫垂炎の疑いにて開腹せるに,虫垂は正常,右卵巣の茎部の一部が捻転をして7×3.5×3.0cm,57gに肥大していた。組織学的にも卵巣が浮腫を認める以外とくに異常所見はみられなかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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