文献詳細
薬の臨床
切迫流産等の初期異常妊娠におけるhPLとE3−16—G—高感度ラテックス凝集反応による血清hPLの測定
著者: 坂井千秋1 大森研二1 本庄英雄1 岡田弘二1
所属機関: 1京都府立医科大学産婦人科学教室
ページ範囲:P.647 - P.650
文献概要
hPL (Human Placental Lactogen,hCS=Human Chorionic Somatomammotropin)は,胎盤のsyncytio—trophoblastで産生,分泌されるホルモンである。体内半減期が非常に短く,10分から30分以内と言われ,胎盤機能によってその値が変動するため,胎盤機能を知る有力な一つの指標とされている1)。妊娠後半においてはその測定が,最近汎用されてきたが,妊娠初期においても,異常妊娠とくに切迫流産,絨毛性疾患などの診断,予後判定についての有用性の報告が散見されるようになってきた2〜4)。これは,hPLの測定法自体の進歩によるもので,以前はRIA5),HAR6),HAIR7)などが用いられたが,最近ラテックス凝集反応(スライド法)が開発され,今回さらに高感度のラテックス凝集反応も開発されたため,その簡便,迅速さのために,初期異常妊娠におけるhPLの測定もこれから盛んに行なわれ,日常臨床に役立つものと思われる。
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