icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科36巻8号

1982年08月発行

薬の臨床

切迫流産等の初期異常妊娠におけるhPLとE3−16—G—高感度ラテックス凝集反応による血清hPLの測定

著者: 坂井千秋1 大森研二1 本庄英雄1 岡田弘二1

所属機関: 1京都府立医科大学産婦人科学教室

ページ範囲:P.647 - P.650

文献概要

 妊娠中胎盤は,物質通過,交換機能,代謝および産生機能などの機能をもち,胎児の生命,発育に重責をなしている。このような意味において,近年胎盤機能検査が,重要視されるようになってきた。このうち胎盤自体の検査法の代表的なものの一つとして,血中hPL値の測定がある。また,胎児胎盤系の検査法としては,尿中エストロゲン値の測定が,その代表としてあげられる。
 hPL (Human Placental Lactogen,hCS=Human Chorionic Somatomammotropin)は,胎盤のsyncytio—trophoblastで産生,分泌されるホルモンである。体内半減期が非常に短く,10分から30分以内と言われ,胎盤機能によってその値が変動するため,胎盤機能を知る有力な一つの指標とされている1)。妊娠後半においてはその測定が,最近汎用されてきたが,妊娠初期においても,異常妊娠とくに切迫流産,絨毛性疾患などの診断,予後判定についての有用性の報告が散見されるようになってきた2〜4)。これは,hPLの測定法自体の進歩によるもので,以前はRIA5),HAR6),HAIR7)などが用いられたが,最近ラテックス凝集反応(スライド法)が開発され,今回さらに高感度のラテックス凝集反応も開発されたため,その簡便,迅速さのために,初期異常妊娠におけるhPLの測定もこれから盛んに行なわれ,日常臨床に役立つものと思われる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら