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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科36巻9号

1982年09月発行

指標

排卵のメカニズムから排卵障害への対応まで

著者: 岡村均1 神崎秀陽1 奥田雄二1 川村直行1 東條伸平1

所属機関: 1京都大学医学部婦人科学産科学教室

ページ範囲:P.657 - P.667

文献概要

 種の存続という生物の存在目的にとって,排卵現象は最も重要な過程の一つであり,従ってその調節機構は巧妙精緻を極めている。中枢神経系—間脳—下垂体—卵巣といった身体の各部位が,Gn-RH,FSH,LHなどのtrophic factorsの放出や,あるいは逆にend-productsであるprogesteroneやestrogenのnegativeさらにはpositive feed-back機構を介して,みごとなharmonyを奏でていることがその液性調節機構として重要である(図1)。さらにこれらの調節が順調に運行されてLHsurgeが発来し,これが卵胞にその作用を及ぼしはじめてから実際に排卵が起るまでには,卵胞という場で,その多様な構成成分によって発現される種々の機能が,これまたみごとに統合調和のとれた状態にあることが排卵に不可欠といえる。以下に,このLHsurgeから排卵までの変化とそのmediatorについて,卵胞という場の生物学的立場から概説させていただくとともに,さらにこの概念から得られた排卵に必須な現象に障害をおよぼす因子を排卵障害の原因としてとらえ,その対応策を考えてみたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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