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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科37巻1号

1983年01月発行

産婦人科医療--明日への展開 生殖のコントロール--不妊治療への展望

不妊症の手術療法—適応と限界

著者: 井上正人1 篠原正樹1 篠塚孝男1 藤井明和1

所属機関: 1東海大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.27 - P.31

文献概要

 近年婦人科領域にmicrosurgeryが応用されるようになって,不妊症の手術療法は大きく変ってきた。不妊手術後の再疎通術はmicrosurgeryの絶好の対象となり,術後の妊娠率50〜80%という画期的な成績が報告されている1〜3)。また卵管角部の閉塞は,これまでは子宮内卵管移植しか方法はなく,あまり手術の適応にならなかったが,microsurgeryによりそのほとんどが端々吻合できるようになった4)。卵管開口術においても,疎通率は90%以上で,術後の癒着は極めて少ないと報告されている。microsurgeryによって卵管形成術は一変したと言っても過言ではない。しかし,microsurgery5〜10)にもおのずから限界があり,卵管開口術において,疎通性は90%以上回復するのに,妊娠率が30〜40%とあまり良くないのは手術療法の限界を端的に示しているものといえよう。
 本稿では不妊症の手術療法におけるmicrosurgeryの適応と限界,今後の問題について考察したい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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