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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科37巻10号

1983年10月発行

指標

モノクロナール抗体の臨床研究への応用

著者: 香山浩二1

所属機関: 1兵庫医科大学産科婦人科教室

ページ範囲:P.677 - P.684

文献概要

 最近のバイオテクノロギーの進歩には目を見張るものがある。中でも,細胞融合法の免疫学への応用は,単一の抗体を無尽蔵に作り出すハイブリドーマの出現を生み,従来の免疫学に大きな変革をもたらしている。単一の抗原決定基に対する単一の抗体を得ることは免疫学者の長い夢であったが,ついに1975年イギリスのKöhlerとMilstein1)がヒツジ赤血球で免疫したマウス脾細胞とマウスミエローマ株化細胞を融合させヒツジ赤血球に対する抗体産生ハイブリドーマの樹立に成功したことによってその夢が現実のものとなってきた。その後,数年の間にこの画期的な細胞融合法は抗体産生のみならず各種のT細胞液性因子産生ハイブリドーマの作製にも応用され,細胞レベルでの免疫応答の分析や免疫担当細胞表面抗原の解析などに有力な手段となっている。
 本稿では,まずモノクロナール抗体産生ハイブリドーマの作製法について簡単に紹介し,次いでその応用面として,特に産婦人科領域に関係の深いホルモン(hCG),生殖細胞(精子と卵子),悪性腫瘍細胞(卵巣癌)に対するモノクロナール抗体を用いた臨床研究について解説する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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