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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科37巻11号

1983年11月発行

指標

異常卵の発生機序—Ⅰ.淘汰との関連でみた異常卵の臨床的意義

著者: 佐藤孝道1 加賀山哲夫1 五味渕秀人1 香山文美1 森田良子1 水野正彦1 坂元正一1

所属機関: 1東京大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.757 - P.767

文献概要

 ヒト卵子の数は胎児期に最高になり約700万個にも達するが,その後次第に減少し実際に排卵される数は数百個にすぎない。また,男子の一生を通じて作られる精子の数は数え切れない。ヒトの場合わずか2〜3人の子孫を作るのに何故無数の生殖細胞が必要であるかは,神秘のヴェールに包まれたままである。
 一方,自然流産胎児の半数以上に染色体異常や奇形が発見され,胎児そのものの異常によって胎芽死亡から流産に至ることが明らかとなった。普通の妊娠で10〜15%という高頻度で流産が起こることもさることながら,さらに着床以前に失われる妊卵の数がその数倍に及ぶことも推測されており,生殖現象を淘汰の過程としてとらえることの重要性が指摘されつつある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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