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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科37巻12号

1983年12月発行

文献概要

トピックス

AIDSの早期診断法—血中アルファ・インタフェロンの測定

著者: 田部井徹1

所属機関: 1自衛隊中央病院産婦人科

ページ範囲:P.883 - P.883

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 1978年,米国における最初のAIDS(Acquired Immunodeficiency Synd—rome:後天性免疫不全症候群)が発表されて以来,1982年までに159症例が報告された。最近,米国におけるCeters for Disease Control(CDC)は,集計されたAIDS患者2,008名の71%(1,429名)がホモ(同性愛)の男性で占められ,17%(339名)が薬物常用者であり,1%(15名)が血友病患者であったと報告した1)。さらに,全患者2,008名の50.6%(1,016名)がカリニ肺炎に,26.5%(533名)がカポシ肉腫に,あるいは7.4%(533名)が,両者に罹患していたと報告した。Harris,C.らは,AIDSの男性と性交した女性に免疫不全が出現しやすいことを指摘した2)。現在,AIDSの真の成因は不明であるが未知のビールスに起因するともいわれ,またホモの男性に多発することや,同様の傾向を示す淋疾との関連性3)から,性交為を介する感染病(sexually transmitted disea—ses:STD)として注目されている。
 最近,Eyster,M.E.らは,AIDS患者の血中易酸性アルファ・インタフェロン(acid-labile alpha inter-feron)値が異常を示すことに着目し,AIDSを示す血友病患者3名から,AIDSの臨床症状が未だ明瞭に出現しない3〜6カ月前に,既に採取してあった保存血中のアルファ・インタフェロン濃度を測定した。これらの患者の血中アルファ・インタフェロン値は,対照としてのAIDSでない血友病患者46名に比べて,著しく高値を示すことを見出した4)。通常,アルファ・インタフェロンは,正常健康人の血中には殆ど出現しないという。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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