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産婦人科医療--明日への展開 生殖内分泌学の進歩
間脳下垂体機能障害の臨床
著者: 矢追良正1 斉藤幹1
所属機関: 1東京医科歯科大学医学部産科婦人科学教室
ページ範囲:P.171 - P.176
文献購入ページに移動 1971年,東京での国際不妊学会で,SchallyがAri—mura,Baba,Matsuo等と共にGN-RFの抽出と構造決定の成功を報じたことは,一大センセーションであった。以来,この合成品による臨症応用への成果の蓄積から,生殖生理学の概念が大きく変貌を遂げ,不妊症治療上にも大きな福音がもたらされたことは未だ記憶に新しい。これに先だつ数年前,既に視床下部—下垂体—性腺系の概念が提唱されていたが,Gn-RF (後にLH-RH)の出現により,この系が現実のものとして眼前にその姿を現わしたわけである。この一大進歩の影には,下垂体性Gonadotropins (HPG)の如き微量ホルモンを測定するRadioimmunoassay (RIA)の進歩もあったし,その後にも,更に微量のLH-RH測定法や,アナログの開発等の進歩もあって,一昔前までは単一疾患と考えられていたものが,視点を変えると相異なるものであると判ったり,逆に別個の疾患と思われていたものが同一疾患であったりで,現在はまさに無数の異常が未整理のまま放置されている.今後も科学技術の進歩によりどのような視点を得るかもしれないし,新たな疾患が飛び川すか余断は許されない。しかし,どこかの時点で,その無秩序を整理してみることは,今後の発展への足がかりを得る意味で絶対必要なことであり,そのような観点から,今回の故東条伸平教授の企画は意義がある。
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