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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科37巻4号

1983年04月発行

臨床成績

当科内分泌外来における高プロラクチン血症について

著者: 桜木範明1 宇野洋一1 佐藤春美1 田中俊誠1 藤本征一郎1 一戸喜兵衛1

所属機関: 1北海道大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.303 - P.309

文献概要

 近年RIAによる血中プロラクチン(PRL)の測定が普及するにつれ,外来をおとずれる無月経,無排卵患者の中に多くの高PRL血症が発見されることが明らかとなっている。
 PRLは下垂体前葉から分泌される分子量23500の単鎖ポリペプタイドホルモン1)である。その生理的作用は,1)乳腺発育促進,2)乳汁合成,分泌促進,3)羊水の浸透圧調節,4)肺サーファクタントの成熟,5)luteolytic effect,6) preeclampsiaとの関係などが示唆されている2)。PRL分泌はPRL自身のshort-loop feed—back mechanismとPRL releasing factor (PRF)及びPRL inhibiting factor (PIF)とによって調節されていると考えられている。PRFはまだ同定されていないが,生理作用から,serotonin,5—HTPなどを考える研究者もいる。PIFとしてはdopaminが最も重要なものと考えられている。TRHも下垂体に直接作用してPRL分泌を増加させる。しかし通常のPRL分泌は視床下部からの下垂体へのPIF分泌によるtonic inhibitionをうけて調節されているものと考えられる。生理的にはPRLの分泌は乳房の刺激,睡眠の後半期,運動,ストレス,水制限により増加する3)。病的な高PRL血症をおこす場合としては以下のようなものがある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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