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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科37巻5号

1983年05月発行

トピックス

陣痛開始以前の子宮収縮と関係のない一過性胎児徐脈は胎児の予後がわるい

著者: 広井正彦1

所属機関: 1山形大学医学部産科婦人科学

ページ範囲:P.326 - P.326

文献概要

 NST (nonstress test)はハイリスク妊娠での胎児の状況を知るために,今日では広く用いられて来ている。しかし,自然にみられる胎児心拍数の一過性の徐脈は胎児の危険を暗示するものとして注目されているが,これはNSTにみるようにre—active,nonreactive,sinusoidalの如き特微を必ずしも含んでいない。そこでPazosら1)は,子宮内胎児発育不全の症例で分娩7日以内に行われたNSTの際の自然の胎児徐脈の出現について検討した。
 合併症のない正常の妊娠66例とハイリスク妊婦201例について,分娩7日以内に行った合計267例のNSTにつき分析した。患者は楽な半坐位とし,ペーパーは3cm/分の速度で動かし,胎児の動きを自覚した時妊婦がチェックする方法で1時間記録した。血圧は15分おきに測定し,自然の胎児徐脈をみた時にも血圧を測定した。この場合のNSTの分析では,baselineの心拍数は1分間120〜160,beat-to-beat variabilityは5〜10/分,胎児の活動は少なくとも20分間に4回の運動とこれにつれてbaselineを10%以上超える胎児心拍数の上昇を基準とした。この際,自然の徐脈としては胎児心拍数が120/分以下60秒以上10分間以下持続するが,この際には子宮の収縮もなく母体にも低血圧などの状態が起こらない時と定義した。子宮内胎児発育遅延(IUGR)はLubchenco2)の胎児発育曲線で10パーセンタイル以下のものとした。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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