icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科37巻5号

1983年05月発行

症例

褐色細胞腫合併妊娠の1例

著者: 今西由紀夫1 関博之1 金子義晴1

所属機関: 1日立総合病院産婦人科

ページ範囲:P.365 - P.371

文献概要

 褐色細胞腫(pheochromocytoma)は,副腎髄質細胞などのクロム親和性細胞から発生する腫瘍であり,カテコールアミンを産生・分泌するために,高血圧をはじめとするさまざまな臨床症状を呈するが,外科的に腫瘍を切除すれば一般に根治可能である。高血圧人口の0.5%は本疾患であると言われており,わが国でも1942年の第1例以来多数例が報告され,単なる症例報告としての価値はすでに失われていると言ってもよい現状である。
 しかしながら,本疾患を合併した妊娠の報告は,わが国では,我々の調べ得た限り,これまでに18例を数えるだけで,きわめて珍しいものである1〜17)。しかもその半数以上が妊娠中に発症し,診断が下されるのは分娩後であることが多いという事実は,この合併症妊娠における母児の予後を考える上で,重大な問題となっている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら