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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科37巻6号

1983年06月発行

文献概要

産婦人科医療--明日への展開 ホルモンレセプター Case Study--臨床との関連をめぐって

子宮内膜癌

著者: 玉舎輝彦1

所属機関: 1京都府立医科大学産婦人科学教室

ページ範囲:P.425 - P.429

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 Ⅰ.steroid作用機構に関連したreceptor測定の意義
 内膜癌とsteroidの関係についてみると,estrogenは発癌性や癌発育の面から,progestogenは内分泌治療の面から興味がもたれてきた。まず内膜癌で臨床的に知られているのは,組織学的分化度が低下するほど予後さらには合成progestogenによる治療成績が悪いことである。このことと関連して,合成progestogenはproge—sterone receptor (PR)を介して作用が伝わるであろうという見解から,内膜癌でPRやその他のsteroid re—ceptor〔estrogen receptor (ER),androgen receptor(AR)〕を測定し,これらと組織学的分化度との関係,及び組織学的分化度よりもprogestogen治療の反応性のより良きインジケイターとなる可能性について検討されてきた。estrogen,progestogen,androgenは相互に協同作用をする1)から各種steroid receptorを同時に測定する必要がある。いろいろ報告されてきたが我々の成績を含めcytosolのER,PR,AR量及び検出率は組織型が未分化になるほど少ない傾向を示している2)(図1)。この場合,各種,分化度の異なった内膜癌でreceptorが検出されない場合があるので,それを加えて各症例を合計,平均した値で比較することに問題がある。したがって検出率も比較すべきである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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