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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科37巻7号

1983年07月発行

文献概要

トピックス

LHRH-agonist (作働物質)の長期間投与による卵巣機能の抑制効果

著者: 田部井徹1

所属機関: 1自衛隊中央病院産婦人科

ページ範囲:P.501 - P.501

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 LHRH-agonist (作働物質)である(D-trp6—Pro6—NET)—LHRH (以下LHRH-aと略す)をラットに長期間投与すると,血中LH分泌は増加するがFSH分泌は減少し,さらに生殖機能が低下する1)。Nilliusら2)およびLamayら3)は,ヒトにおけるLHRH-aのラットと同じような効果を認めた。しかるに,LHRH-aの生体内における作用機序が,下垂体を介しているのか,性腺に対する直接作用による性ホルモン分泌の低下なのかあるいはLH受容体が関与しているのか不明である。
 最近,LHRH-aを使用したヒトへの臨床応用が試みられ始めた。Meldrumら4)は,子宮内膜症患者5名にLHRH-a,100μg/日を28日間の長期投与すると,血清LH濃度は上昇するがFSH濃度は逆に低下する傾向を認め,さらに血清estradiol—17βおよびestrone濃度は,去勢婦人のレベルにまで低下したと述べ,したがって,LHRH-aの長期間投与は,卵巣の外科的な去勢と同等な効果を示す可能性が示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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