icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科37巻8号

1983年08月発行

文献概要

指標

婦人科領域におけるAPUD系腫瘍

著者: 上田外幸1

所属機関: 1大阪大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.527 - P.535

文献購入ページに移動
 APUD系細胞はPearse1)によって初めて提唱された概念で,1) Fluorogenic Amine Content (catecholamine,5—HT),2) Amine Precursor Uptake (DOPA,5—HTP),3) Amino Acid Decarboxylaseなどの性質を有することから命名されたもので,neural crest originと考えられた。これらAPUD系細胞から発生するものが本来APUD系腫瘍と呼ばれるべきであるが,APUD系細胞あるいはその腫瘍の組織発生については未だ必ずしも意見の一致は得られておらず,ここでは形態的あるいは機能的にAPUD性格を有する細胞からなる腫瘍はすべてAPUD系腫瘍として取り扱うこととする。
 APUD系腫瘍と考えられるものは現在多くの臓器で認められており,これらのなかには種々のpeptide hor—moneを産生するものがあることが報告されている。婦人科領域においても,carcinoidが稀に卵巣に発生することは古くから知られていたが,子宮頸部あるいは体部におけるAPUD系腫瘍の発生は比較的最近認められるようになったに過ぎない。本稿では子宮頸部,体部および卵巣におけるAPUD系腫瘍について筆者らの成績を中心に文献的考察を加えることとする。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?