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妊娠中毒症の薬物療法における最近の国際的動向
著者: 古橋信晃1
所属機関: 1東北大学医学部産科婦人科学
ページ範囲:P.620 - P.620
文献購入ページに移動 現在,妊娠中毒症に対する関心が国際的にも高まってきており,本邦でも日産婦会・妊娠中毒症問題委員会(委員長:鈴木雅洲教授)が発足して以来,種々の検討を行っている。1982年には米国学派のInterna—tional Society for study of hyper—tension in pregnancyの第3回目の国際会議(ダラス,10月)および欧州学派のOrganisation Gestosis (OG)の第14回国際会議(ウィーン,12月)が開催され,両会議に出席する機会を得たので,今回は,それら会議で報告された妊娠中毒症の薬物療法の最近における国際的動向について報告する。
妊娠中毒症の薬物療法は,従来,母体の表面的な諸症状に対する対症療法が中心であり,胎児への配慮が欠けていたことは報告1)した。一方,妊娠中毒症とは高血圧・蛋白尿・浮腫を3症状とする単一疾患であると考えられてきたが,今回の国際会議での報告では,これら3症状の1つ1つを呈する各々の発症機転および病態はかなり異なり,妊娠中毒症は単一疾患ではなく,何種類かの類似疾患を複合した状態,または疾患群という概念が大勢を占めつつある。したがって,これらの概念に基づいた母体・胎児の両者におよぼす影響を考慮した治療法が報告されている。
妊娠中毒症の薬物療法は,従来,母体の表面的な諸症状に対する対症療法が中心であり,胎児への配慮が欠けていたことは報告1)した。一方,妊娠中毒症とは高血圧・蛋白尿・浮腫を3症状とする単一疾患であると考えられてきたが,今回の国際会議での報告では,これら3症状の1つ1つを呈する各々の発症機転および病態はかなり異なり,妊娠中毒症は単一疾患ではなく,何種類かの類似疾患を複合した状態,または疾患群という概念が大勢を占めつつある。したがって,これらの概念に基づいた母体・胎児の両者におよぼす影響を考慮した治療法が報告されている。
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