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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科37巻9号

1983年09月発行

文献概要

臨床メモ

乳房刺激の臨床応用

著者: 貝原学1

所属機関: 1東大分院産婦人科

ページ範囲:P.631 - P.631

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 褥婦の乳頭に対する児の吸啜刺激が,下垂体後葉からオキシトシンの分泌をもたらし,子宮を収縮させることはよく知られた事実である。妊婦でも褥婦と同様に,このような刺激によって子宮収縮がもたらされるが,このような現象は,妊娠末期の妊婦を管理するための手段として,いろいろな面で臨床応用が試みられている。
 Jhirad and Vago1)は妊婦の乳房に対する刺激が陣痛を誘発して分娩に導く上で有効であると報告している。彼等は妊娠末期の妊婦に対して電気窄乳器を用いて乳房に左右交互に15分間ずつ吸引刺激を加えたが,これによって69.6%の者に陣痛を誘発して分娩に到らしめることができた。特に頻産婦ではその成功率が高く73.1%に達した。乳房の刺激開始から分娩終了までに要した時間は平均8時間30分であった。一般に頻産婦に対してオキシトシンによって陣痛誘発を試みることは子宮破裂の発生率が高いため禁忌とされているが,乳房刺激による陣痛誘発法はこのような危険が発生する恐れがなく,安全かつ有効な方法であると述べている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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