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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科38巻10号

1984年10月発行

明日への展開--ヒューマンバイオロジーの視点から 遺伝

遺伝カウンセリングの変容

著者: 大倉興司1

所属機関: 1東京医科歯科大学難治疾患研究所人類遺伝学部門

ページ範囲:P.777 - P.780

文献概要

 遺伝相談,遺伝カウンセリングというものの真の内容,意義が十分に理解されないままに,わが国では言葉だけが一部で先行し,また,誤解された部分が強調されるような面もなくはなかった。しかし,現実はそのようなことにとらわれる暇もなく,変容してきている。それはクライアントの要求に基づくものであって,医師側,カウンセラー側の想像の産物ではないのである。具体的に彼らが悩み,苦しんでいる問題が,これまでのカウンセラー側の対応,遺伝相談に対する姿勢を押し破って,真の問題点の局在を明らかにしだしたといえるのである。
 いいかえると,これまでは遺伝カウンセラー側が規定してきた遺伝相談のわく組みの中で行われてきたものだけでは,クライアントは満足せず,求めるものの範囲が拡大し,また,クライアントという対象のわくも拡大してきたのである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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