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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科38巻10号

1984年10月発行

薬の臨床

サンテマイシン点眼液による新生児結膜炎の予防効果の検討

著者: 那須健治1 小寺健一2

所属機関: 1関西労災病院産婦人科 2大阪大学微生物病研究会臨床検査部

ページ範囲:P.797 - P.799

文献概要

1)分娩直後,新生児の両眼にサンテマイシン点眼液またはゲンタマイシン点眼液の1回点眼を行い,新生児結膜炎の予防効果を検討した。2)サンテマイシン点眼群では100例中3例に,ゲンタマイシン点眼群では100例中6例に眼脂が発現し,軽度の新生児結膜炎がみられた。3)サンテマイシン点眼群の3例中2例にStaphylococcus epidermidisが,他の1例はEscherichia coliとKlebsiella pneumoniaeが検出された。ゲンタマイシン点眼群では,6例中全例にStaphylococcus epidermidisが検出され,その内3例ではそれぞれ,a-Streptococcus,Pseudomonas aeruginosa,Streptococcus pneumoniaeが同時に認められた。4)検出されたStaphylococcus epidermidisのうち,サンテマイシン点眼群の1例とゲンタマイシン点眼群の3例はそれぞれの点眼液に耐性を示したが,前者は点眼の追加なしに,後者は点眼の追加により治癒した。5)両点眼液は共に副作用がみられなかった。
 以上の結果より,サンテマイシン点眼液は,眼組織に対する障害,耐性菌の出現も少なく,新生児結膜炎の予防に有効な薬剤であると考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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