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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科38巻11号

1984年11月発行

文献概要

トピックス

人工流産は前置胎盤の危険性を増大するか

著者: 広井正彦1

所属機関: 1山形大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.812 - P.812

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 近年,前置胎盤の頻度が比較的増加の傾向にあり,この原因として人工妊娠中絶を考えているものも少なくない。後方視的な研究ではあるが,Brennerら1), Cottonら2), Schoen—baumら3), Modoreら4)の研究でも,以前の流産と前置胎盤との相関があることを報告している。最近ではBarretら5)はアメリカ合衆国での調査で,妊娠初期に人工妊娠中絶をうけたことのある婦人では,そうでない婦人に比して6倍も前置胎盤になる危険率が高いことを認め,その原因として子宮内そう把により子宮内膜の瘢痕が生じ,これが胎盤の正常位に附着するのを防いでいるとの推論を下している。
 そこで前置胎盤と人工妊娠中絶との因果関係についてさらに詳細に調べるために,Grimesら6)はアトランタの病院で1975年から1979年までの5年間で500g以上の胎児を出産した症例について,完全な前置胎盤で帝王切開により分泌した症例や,超音波などで前置胎盤を認め,妊娠期間中に性器出血で入院を要した症例を前置胎盤と定義し,無症候性で自然に消失して臨床的に問題の起こらなかったものは除外した。対照としてこの期間中に入院し,500g以上の児を娩出した前置胎盤以外の症例とした。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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