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文献概要
症例
超音波により妊娠早期に診断し得た心臓脱の1例
著者: 加賀山哲夫1 岩間洋一1 鴨志田和久1 金子義晴1
所属機関: 1日立製作所日立総合病院産婦人科
ページ範囲:P.865 - P.868
文献購入ページに移動妊娠16週では,児頭は不明であり,児体部頭側に躯幹と接した直径19mmの嚢胞状echoを認めた。この時には,心臓は?幹内で拍動していた。児頭の奇形を疑い,妊娠20週に再度超音波検査施行。児頭の輪郭は不鮮明であり,児頭の横断面でmidline echoが確認出来ず,無脳児と診断した。また胎児躯幹外に拍動する心臓を検出し,胸郭へ連続する大動脈の像より,心臓脱と診断した。本症例は妊娠16週から20週の間に心臓脱が進行し,妊娠16週に認められた嚢胞内に心臓が脱出したと考えられ,心臓脱の発生時期,発生過程を追跡し得た点,貴重な症例である。
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