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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科38巻12号

1984年12月発行

明日への展開--ヒューマンバイオロジーの視点から 胎児--その自立と依存

脳成熟と周産期障害

著者: 西村正明1 家島厚1 高嶋幸男1

所属機関: 1鳥取大学医学部付属脳幹性疾患研究施設神経小児科

ページ範囲:P.895 - P.901

文献概要

 脳は他の臓器に比して,胎生期,乳児期における成熟の割合が早く,成熟の過程において障害をうけやすい。また神経細胞の再生能力の乏しさと相まって,障害を残しやすい。さらに未熟脳での障害は,成人脳とは異なった機能障害を生じる。
 成熟過程の中で,周産期は子宮内から子宮外への分娩,適応の時期であり,虚血,低酸素,代謝異常などの悪条件が加わりやすく,脳の成熟過程に伴う脆弱性によって,脳障害にも種々のパターンがみられる。本稿では,脳の成熟を未熟脳の脆弱性を考慮して,素因と外因を概観し,各周産期脳障害の要因に言及する。また,成熟過程における脳障害のCT上の特徴について,最近われわれの得た知見を述べてみたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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