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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科38巻12号

1984年12月発行

トピックス

接触性赤外線凝固器による子宮腟部びらんの治療

著者: 田部井徹1

所属機関: 1自衛隊中央病院産婦人科

ページ範囲:P.902 - P.902

文献概要

 現在,子宮腟部びらんの治療としては,腟坐薬による薬物療法あるいは冷凍凝固,電気焼却,炭酸ガスレーザーによる物理療法が普及している。一般に,子宮腟部びらんの治療は,外来治療が可能であり,水性帯下などの副作用が少なく短い治療期間で高い治癒率を示す療法が望ましい。冷凍凝固療法は,簡便で有効な方法であるが,正常周辺部の組織まで破壊され,多量な分泌物がみられることがあり,電気焼却療法は,焼却中に激痛を伴うことがある。一方,レーザー療法は,分泌物,あるいは二次的な出血は少なく最も優れた方法であるが,外来での治療ができなかったり装置の購入費が高いなどの欠点がある。
 最近,西独のNathら1)が,接触性赤外線凝固器Infrared ContactCoagulatorを開発し,赤外線による止血凝固効果を発表した。本凝固器は下の写真に示す如く,長さ20cmのピストル形の赤外線照射部と電源部の台座から成っており,本体の重さは,3.1kgと極めて軽量であり,操作も簡単にできる。本装置の概要は,右下の図に示したが,タングステンハロゲンランプから発射した赤外線(120〜150ワット,ピーク850nm)を石英ロッドに集光し,先端部のテフロン膜と密着した病巣部に照射する仕組みになっている。照射線量および深部は,照射時間(0.5〜3秒)の長短により調節できる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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