文献詳細
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文献概要
胎児は子宮に住んでいる患者である。今や妊婦診察は母体のみならず胎児を系統的に診察する時代に入った。超音波医学や生化学的手法,更にまたfetal heart rate(FHR) monitoringの進歩によって系統的に胎児を診察する「胎児診断学」が確立されようとしている。
胎児心拍の観察は「胎児の生死の確認」の時代から「胎児の予備能」や「well being」を知る時代に入った。健康な胎児の心拍数は子宮内環境の変化に応じて刻々と微細に変動するが,予備能のない児ではこの微細な変動がみられない。心拍数の変動は中枢神経系の心拍数制御機構の表われであり,従ってFHR monitoringは胎児の心機能を診ているというよりは,胎児中枢神経系の機能を診ているといっても過言ではない。胎児中枢神経系は子宮内環境の悪化に対し,最も予備能のない臓器であり,しかも1度ダメージを受けると一生涯後遺症を残すので,FHR monitoringが胎児診断学の中で占める位置は大きい。しかも,この検査は胎児の状態がreal timeに判るので,今やかけがえのない検査法となった。
胎児心拍の観察は「胎児の生死の確認」の時代から「胎児の予備能」や「well being」を知る時代に入った。健康な胎児の心拍数は子宮内環境の変化に応じて刻々と微細に変動するが,予備能のない児ではこの微細な変動がみられない。心拍数の変動は中枢神経系の心拍数制御機構の表われであり,従ってFHR monitoringは胎児の心機能を診ているというよりは,胎児中枢神経系の機能を診ているといっても過言ではない。胎児中枢神経系は子宮内環境の悪化に対し,最も予備能のない臓器であり,しかも1度ダメージを受けると一生涯後遺症を残すので,FHR monitoringが胎児診断学の中で占める位置は大きい。しかも,この検査は胎児の状態がreal timeに判るので,今やかけがえのない検査法となった。
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