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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科38巻2号

1984年02月発行

文献概要

明日への展開--ヒューマンバイオロジーの視点から 卵管

生殖における卵管の役割

著者: 鈴木秋悦1 北井啓勝1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.87 - P.90

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 近年,マイクロサージェリー1)と体外受精2)という2つの卵管性不妊の治療法が開発された。マイクロサージェリーは卵管避妊術後の再開通術に有効であり,体外受精は技術上,倫理上の問題はあるが,不可能と思われていた卵管不妊患者の挙児希望を実現した。
 しかし,これらの新技術は臨床上に新たな課題を提起している。すなわち,マイクロサージェリーによる卵管形成術では,卵管機能障害の部位および程度についての明確な規準がなく,再建手術の結果に対する評価は非常に困難であり,また,卵管水腫や過短卵管などの妊娠率の低い症例の検討も必要である。また,体外受精法は,基本的には,卵管の機能を補う卵管バイパス法であり,卵管機能の生理にどれだけ近似しているかという観点からの検討が重要である。受精卵移植後の妊娠率の低さ,充分に発育していない胚の子宮内移植の意味など解明すべき問題は多い。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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