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扁平上皮癌の腫瘍マーカーTA−4
著者: 加藤紘1
所属機関: 1山口大学医学部産科婦人科学教室
ページ範囲:P.151 - P.155
文献購入ページに移動 1965年GoldらによりCarcinoembryonic antigen(CEA)が紹介され1),続いて血中CEA濃度をラジオイムノアッセイ(RIA)により簡単に測定できるようになったが2),これにより悪性腫瘍の診断・管理に新しい時代が訪れたとの期待を抱いたものは多い。それまでも悪性腫瘍の治療成績向上に対して"腫瘍マーカー"がいかに有力な武器となりうるかはよく知られており,たとえば絨毛性腫瘍の診断・管理にはhCGが広く利用されていたが,これは当時むしろ特殊な例外と考えられており,一般の悪性腫瘍に対してその腫瘍マーカーを開発しようとの努力はあまり積極的にされていなかった。CEAのRIA法の開発により新しい腫瘍マーカーの開発法およびその臨床応用についての一つの指標が示されたのである。その後CEAを初めとして各種の腫瘍マーカーに関する研究はめざましい進歩を遂げ,最近ではmono—clonal抗体の作製など新しい技術も盛んに利用されているが,一方それにつれて腫瘍マーカーの概念も少しずつ変化し,CEAについてみても結腸癌などの"特異的腫瘍抗原"とされていた初期の時代から正常組織にも存在する"腫瘍関連物質"へとその解釈も次第に変化し,更にはCEA familyともよばれる多くの近縁物質が次次と発見されるに至った。
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