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明日への展開 ADVANCED TECHNOLOGY II.生殖・内分泌
プロスタグランディン応用の広がり
著者: 佐藤和雄1
所属機関: 1東京大学医学部産婦人科学教室
ページ範囲:P.268 - P.272
文献購入ページに移動 プロスタグランディン(PG)の生体内での働きは極めて多彩で,その作用を利用して多くの臨床応用が試みられつつある。しかしその作用の多彩さがむしろ臨床応用の歩みを遅らせる一つの原因ともなっている。それは目的とする作用以外は全て副作用となってしまうので,それら目的とする作用のみを抽出するためには多くの誘導体を作り,それを試し,取捨選択するという作業が入り,それに莫大な費用と時間が必要となるからである。他方PGの臨床応用の隘路となる問題として,生体内での代謝が極めて速いことがあげられる。PGのような強力な活性物質は代謝速度によってその作用が調節されているが,いざ薬として使うとなると作用時間の長いものが望まれるようになり,その目的に適った誘導体の合成が待たれることになる。最も早く臨床応用が試みられ成功した産科領域では上に述べた問題点がある程度解決され,特に妊娠中絶に応用可能な極めて秀れたPG誘導体が開発されている。このような産科領域での成功を一つのステップとして内科領域,外科領域など多くの分野で臨床治験が行われ将来への見通しが期待されつつある17)(表1)。本稿ではそのうちの代表的なものを紹介してみたい。
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