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明日への展開 ADVANCED TECHNOLOGY III.腫瘍
絨毛癌の解析と予防的管理確立への新しいアプローチ
著者: 望月真人1 丸尾猛1
所属機関: 1神戸大学医学部産科婦人科学教室
ページ範囲:P.294 - P.301
文献購入ページに移動細胞遺伝学的には相同染色体の両方もしくは少なくとも一方が配偶者に由来するという特異な遺伝子構成を示し,内分泌学的には糖蛋白ホルモンである絨毛性ゴナドトロピン(hCG)の分泌過多,単純蛋白ホルモンである胎盤ラクトーゲン(hPL)の分泌過少という特異なパターンを示す。さらに最近では,トロホブラストの悪性化に伴い生化学的に分泌糖蛋白であるhCGの糖鎖に質的変化の起こることが明らかにされている。つまり,絨毛癌は一部の例外を除けばすべて妊娠に由来して発生し,その腫瘍の消長がhCGの量的ならびに質的変化から連続的に追跡しうるという特徴を有する。したがって,ここに絨毛癌の発生過程解明と予防的管理確立の可能性が見出される。
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