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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科38巻5号

1984年05月発行

臨床メモ

経口避妊薬と血圧

著者: 貝原学1

所属機関: 1東大分院産婦人科

ページ範囲:P.459 - P.459

文献概要

 経口避妊薬(ピル)を服用すると血圧の上昇をきたしやすいことは従来より指摘されている。高血圧にともなう心臓・血管系の疾患は,現在における死因の上位を占めているので,ピルにこのような血圧上昇作用があるとすれば,使用にあたってはこの点に十分な配慮を払わなければならない。
 そのためには,ピル服用に際してどのような因子が血圧の上昇をもたらすかを知ることが大切である。ピルの成分のうち,エストロゲンが血圧上昇作用を有することは以前から知られており,イギリスでは既に1969年にCommittee Safty of Me—dicineによって,ピルのエストロゲン含有量を減少させるべきであるという勧告がなされている。そのため,最近のイギリスではエストロゲンの含有量が30μgのものが専ら使用されるようになったという。実際に,30μgのエストロゲンを含有するピルを服用しても血圧の上昇はみられなかったが,50μg含有のものを使用したら明らかに血圧が上昇したという報告1)や,エストロゲンの含有量を50μgから30μgに減少させると血圧は低下したという報告2)が発表されており,エストロゲンが血圧上昇作用を有することは明らかである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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