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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科38巻6号

1984年06月発行

文献概要

指標

卵巣組織におけるコレステロール代謝—I.ステロイド合成に対するリポプロテインの役割について

著者: 田中俊誠1 桜木則宏1 藤本征一郎1 一戸喜兵衛1

所属機関: 1北海道大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.473 - P.484

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 近年,ステロイド産生臓器におけるcholestcrol代謝調節機構の理解が大いに深まった。外因性のcholesterol,即ちlipoprotein-carried cholestcrol (lipo-chol)の基質としての重要性が認識されたことに因るところが大きい1)。卵巣内分泌研究者もreceptorを介してのlipopro—teinsの摂取と代謝,lipo-cholによるde novoのchole—sterol合成とsterol ester貯蔵の調節に注目した。卵巣におけるcholesterolからのsteroid hormonesへの合成経路はほぼ明らかにされているが2),卵巣細胞によるcholcsterolの摂取と代謝を調節する要因については未だ明確にされていない。卵巣におけるsteroid代謝に関する従来の論文の多くは単に14C-acetateのsterolsやsteroidsへの取り込みを扱っているだけで,lipo-cholの基質としての,またcholesterol代謝調節因子としての重要性を考慮していない。したがって,再評価されなければならない論文も多くあると思われる。本論文ではlipo-cholの重要性を考慮に入れて主に卵巣の組織,細胞におけるlipoproteinsの摂取,de novoのsterol合成ならびにsterolsの代謝に関与する各種の酵素,および細胞内でのcholesterolの移動について論じたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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