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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科38巻7号

1984年07月発行

明日への展開--ヒューマンバイオロジーの視点から 乳腺

乳腺の発達と機能分化のメカニズム

著者: 脇本博1 倉智博久1 甲村弘子1 青野敏博1

所属機関: 1大阪大学医学部産婦人科教室

ページ範囲:P.567 - P.573

文献概要

 「たらちねの」という枕詞にあるように,乳汁分泌を開始したふくよかな乳房は万葉の昔より母性の象徴とされてきた。授乳は新生児が離乳し,他の食物摂取が行われるようになるまで続けられる。これは哺乳動物特有の現象である。
 いうまでもなく乳腺上皮の究極の目的は乳汁分泌である。ここに至るまで乳腺上皮は胎生期,性成熟期,妊娠時,分娩時などの急激なホルモン環境の変化に曝され,次第に乳汁分泌の準備を整える。最後に産褥に至って初期の目的てある乳汁分泌を開始する。児が離乳すれば,乳腺は退縮し,乳腺上皮の活動は停止する。再び妊娠すれば,同じサイクルを経て乳腺上皮は変化し,分娩後乳汁を分泌するようになる。乳腺上皮の機能分化のメカニズムを理解するためには,各時期における乳腺の発達を知る必要がある。本稿では乳腺の発生学的な分化から,最後に機能的な分化に至るまでの過程を考察してみたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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