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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科38巻7号

1984年07月発行

文献概要

明日への展開--ヒューマンバイオロジーの視点から 乳腺 Topics

乳腺のホルモンレセプター

著者: 河本馨1

所属機関: 1東京大学農学部畜産獣医学科

ページ範囲:P.595 - P.598

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 乳腺はそれぞれの生殖段階に対応する分化の段階があり,ぞれぞれ種々のホルモン群が増殖と分化に関与し,分化の最終段階においては乳汁を分泌する。泌乳開始のホルモン支配はもっともよく知られている。泌乳開始にいたる分化の諸段階はまだ解明されつくしてはおらず,これらをまとめて乳腺の発達という。ホルモン支配の研究は他の器官の関与しないin vitroでおこなうのがよいが,乳腺上波がin vitroで増殖する実験系はようやく確立しつつあるところで1),このため乳腺の増殖と形態形成を支配するホルモン群の解明はまだ完成していない。泌乳開始のホルモン群は器官培養でしらべることができるので比較的はやくから知られており,妊娠中の乳腺をインスリン,グルココルチコイド,プロラクチンと共に培養すると特異的な乳蛋白質の合成・分泌が始まり,カゼイン,ラクトアルブミンを合成することが確認されている2,3)。これら3ホルモンのうち,インスリンはDNA合成に関与するので,むしろ乳腺の増殖を支配していると思われる2)。細胞培養系ではインスリン,表皮成長因子(EGF),線維芽細胞由来成長因子(CMF)が増殖作用を示す4,5)。もっとも重要なものはインスリンとCMFであるが,CMFはまだ精製されておらず,本体は明らかでないため,そのレセプターの動態についてもまったく研究されていない。以下でインスリン,EGF,プロラクチンのレセプターについてのべる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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