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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科38巻9号

1984年09月発行

トピックス

LHRHアナローグの臨床応用—子宮内膜症に対する新しい治療

著者: 田部井徹1

所属機関: 1自衛隊中央病院産婦人科

ページ範囲:P.688 - P.688

文献概要

 子宮内膜症に対する治療法は,手術療法とホルモン療法に大別できる。ホルモン療法の主眼は,病巣部が子宮内膜と同様に卵巣ホルモンに反応を示すことから,ある種のホルモン剤を投与して,エストロゲンやゴナドトロピン分泌を抑制させ異所性病巣を縮小させることである。代表的なホルモン療法は,合成ゲスターゲン投与による偽妊娠療法あるいはアンドロゲン療法を発展させたダナゾール療法である1)。ダナゾール(ボンゾール,東京田辺)は,17α—エチニールテストステロンの誘導体であり,視床下部—下垂体からのゴナドトロピン放出を低下させ卵巣でのエストロゲンを低下させ,病巣部を萎縮・壊死させる。通常,ダナゾール200〜400μg/日を3〜4カ月間連続投与すると著しい臨床効果を示す。一方,子宮内膜症に対するダナゾール以外のホルモン治療剤としては,男性ホルモン製剤であるチオデロン(メピチオスタン,塩野義)あるいは合成ステロイド剤であるゲストリノン(R−2323,ルヒル)などの有用性が指摘されている。チオデロンは,抗エストロゲン作用を有するためエストロゲン依存性の乳腺腫瘍の治療剤として現在使用されている。植木ら1)は,子宮内膜症患者にチオデロン5〜10mg/日を6〜12週間投与して良好な治療効果を得た。
一方,ゲストリノンは,強力な抗ゴナドトロピン作用を有することから,Couitinho2)は子宮内膜症患者に5mg/回,週2回,6〜8ヵ月間連続投与して良好な治療成績を得た。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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