icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科38巻9号

1984年09月発行

明日への展開--ヒューマンバイオロジーの視点から 性機能と中枢--その生理と異常

排卵期を中心とする性ステロイドフィードバック

著者: 加藤順三1

所属機関: 1山梨医科大学産婦人科学教室

ページ範囲:P.701 - P.706

文献概要

I.性ステロイドフイードバックについての一般的理解
 A.性ホルモンフィードバックの生理的意義
 生殖内分泌の調節は,第1は中枢(下垂体を含めた広義の)による末梢内分泌腺機能の調節であり,第2は末梢性腺から分泌されたホルモンによる脳への性ステロイドフィードバック調節によって,主としておこなわれる。この下向性ならびに上行性調節が,視床下部—下垂体—卵巣系からなる一つの閉鎖環のなかで,相互に作用して自動調節機構servo-mechanismとして働き,性機能の性周期が維持される1〜4)(Harris,小林隆,五十嵐,小林拓)。
 性ホルモンによるフィードバックには,図1のごとく,末梢卵巣から分泌されるステロイドホルモンによる長経路のものlong feedbackと,下垂体性および視床下部性の蛋白・ペプチドホルモンによる短経路のものshort feedbackとがある5)。前者には,周期性排卵性ゴナドトロピンサージをひきおこすポジティブ・フィードバックと,ゴナドトロピン分泌を維持するネガティブ・フィードバックとがある。後階の短経路フィードバックはゴナドトロピン分泌に関して,二次的・補完的な役割りを果たしているものと考えられている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら