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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科38巻9号

1984年09月発行

文献概要

原著

prolactin産生下垂体腺腫術後の性機能状態

著者: 武谷雄二1 木下俊彦1 多賀理吉1 水野正彦1 坂元正一1 寺本明2 高倉公明2

所属機関: 1東京大学医学部産科婦人科学教室 2東京大学医学部脳神経外科学教室

ページ範囲:P.723 - P.726

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 prolactinomaの手術例を1年以上follow upし,その性機能状態を分析した。対象はmicroadenoma 13名,macroadenoma18名で平均年齢はおのおの28.2歳,27.3歳であった。術前後のprolactin (PRL)値はmicroadenomaでおのおの245.9±38.0ng/ml,52.5±14.1ng/ml,macroadenomaで912.5±159.5ng/ml,225.5±47.5であった。術後microadenoma群では75%に自然排卵が出現しその80%は正常月経周期を呈した。一方,macroadenoma群では12%に自然排卵がみられたが,それ以来は無月経が持続した。術後microadenoma群の無排卵例ではbromocriptine (B)により全例排卵性となったが,macroadenoma群ではBまたはB+clomipheneにより50%に排卵を認めた。microadenoma群においては術後の自然排卵例での術後のPRL値が非排卵例と比較し有意に低下していた。妊娠は全体で挙児希望例の88%に成立し,特に,microadenoma群では妊娠・分娩を経験した婦人の40%は分娩後に性機能状態が改善した。以上よりpro—lactinoma術後の性機能はmicroadenoma群では良好であり,しかも術後のPRL値が性機能の予後と関連していた。一方,macroadenoma 群は無月経状態が継続することが多いが,B療法などで排卵誘発は可能であり,妊娠は比較的容易に成立した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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