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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科39巻1号

1985年01月発行

文献概要

ヒューマンバイオロジー--臨床への展開 経口避妊

ピルの開発から現状まで

著者: 松本清一1

所属機関: 1自治医科大学附属病院

ページ範囲:P.7 - P.10

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I.ピル開発に至るまでの歴史
 1.排卵抑制の実験的研究
 すでに1898年Prénant & Bornは卵巣黄体の組織所見から,黄体が内分泌作用で続発する排卵を抑制すると唱え,このことはその後多くの学者によって実験動物で明らかにされた。さらにCorner & Allen (1929)が黄体から"progestin"を抽出し,ホルモンによる排卵抑制がMakepeace (1937),Astwood & Fevold (1939)などによって確認された9,16)
 またBondi & Neusath (1922)などは卵巣移植で動物を不妊にできることを認め,過剰ホルモン性不妊の概念を打ち出したが,その後estrogenの大量投与が卵胞成熟ならびに排卵を抑制することが多くの研究で認められた.さらにSavini & Savini-Castan (1911)は精巣エキスや精巣乳剤の投与で雌動物が不妊化されることを認め,その後男性ホルモンの注射で卵巣の卵胞萎縮が起こることも証明された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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