文献詳細
症例
精神分裂病合併妊娠・分娩の臨床統計
著者: 八幡剛喜1 鈴木孝明1 湯沢秀夫1 金沢浩二1 竹内正七1 三浦まゆみ2
所属機関: 1新潟大学医学部産科婦人科学教室 2新潟大学医学部産科精神科学教室
ページ範囲:P.47 - P.51
文献概要
分裂病では,精神症状が妊娠・分娩により影響を受けることはなく,むしろ向精神薬を中止することで悪化するため,投薬は不可欠と思われた。また,育児における母性の稀薄さも認められた。一方,非定型精神病では,妊娠・分娩の影響と思われる精神症状の悪化を認める例があったものの,向精神薬は症状により,漸減・中止が可能であった。また,母性に関しても,分裂病患者と比較して強いものが感じられた。
精神病が妊娠・分娩に与える影響としては,妊娠中毒症を高率に認める以外,大きいものはなく,向精神薬の影響と考えられる児の大きな奇形は全例を通じて認められなかった。
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