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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科39巻1号

1985年01月発行

症例

精神分裂病合併妊娠・分娩の臨床統計

著者: 八幡剛喜1 鈴木孝明1 湯沢秀夫1 金沢浩二1 竹内正七1 三浦まゆみ2

所属機関: 1新潟大学医学部産科婦人科学教室 2新潟大学医学部産科精神科学教室

ページ範囲:P.47 - P.51

文献概要

 精神病に罹患していながら妊娠・分娩に至る例,すなわち精神病合併妊娠・分娩の報告は,従来極めて少なかった。今回,われわれは精神分裂病を中心に非定型精神病と比較しながら,精神障害と妊娠・分娩が相互に及ぼす影響について検討してみたので報告する。
 分裂病では,精神症状が妊娠・分娩により影響を受けることはなく,むしろ向精神薬を中止することで悪化するため,投薬は不可欠と思われた。また,育児における母性の稀薄さも認められた。一方,非定型精神病では,妊娠・分娩の影響と思われる精神症状の悪化を認める例があったものの,向精神薬は症状により,漸減・中止が可能であった。また,母性に関しても,分裂病患者と比較して強いものが感じられた。
 精神病が妊娠・分娩に与える影響としては,妊娠中毒症を高率に認める以外,大きいものはなく,向精神薬の影響と考えられる児の大きな奇形は全例を通じて認められなかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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