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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科39巻1号

1985年01月発行

文献概要

薬の臨床

尿中微量estrogen半定量法の臨床における有用性の検討

著者: 鈴木康之1 林伸旨1 野間純1 安藤尚子1 清水一二美1 早田幸司1 占部清1 吉田信隆1 関場香1

所属機関: 1岡山大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.53 - P.59

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 競合的赤血球凝集阻止反応を応用した尿中微量estrogen測定キットを用いて,不妊症婦人について卵巣機能の評価を行った。同時に著者らの高速液体クロマトグラフィーによる全自動direct assay法にて血清中estradiol,esterone,progesteroneを測定し比較検討した。
 尿中LH peakをDay 0とすると尿中estrogenは,自然排卵例ではDay−1〜Day+1に80〜100ng/ml,HMG-HCG療法例ではDay−2〜Day 0に120〜1,500ng/mlのpeak levelに達し,卵胞成熟の指標となることが示唆された。しかし,血清中estradiolは採血当日の尿中estrogen (r=0.639)より採血翌日の尿中estrogenと(r=0.714)より高い相関を示し,最終的には血中estrogenによるモニタリングが必要であると考えられた。
 以上より,早期尿中estrogenが自然排卵例で40ng/ml,HMG例で100ng/mlのlevelに達した時点より,血清中性ホルモンによるモニタリングに切り換えれば,患者の負担も少なく適切な卵巣機能評価が可能となる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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