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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科39巻10号

1985年10月発行

文献概要

ヒューマンバイオロジー--臨床への展開 体外受精 体験を語る

本法に精通した専門カウンセラーをおいて

著者: 富永敏朗1 麻生武志1 小辻文和1 紙谷尚之1 堂庭信男1 山田良2 西修2 栃木一男2 斎藤友治2 宮崎好一2 佐々木太郎2

所属機関: 1福井医科大学産科婦人科学教室 2福井赤十字病院産婦人科

ページ範囲:P.808 - P.809

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 体外受精・胚移植を行うには,これに関わる基礎的・臨床的医学知識と経験が十分にそなわり,本法の医療としての有効性と安全性が確かめられ,かつ倫理的・法的・社会的な配慮が十分なされることが必要である。われわれはこうした見地から,本法の実施には十分慎重かつ厳正な考え方でのぞみ,従来からの知識・技術の蓄積に加え国内外の他施設での基礎的研究や実地臨床の視察・研修による経験を積んだ上で,日本産科婦人科学会の体外受精・胚移植に関する見解に則り,われわれ独自の方針を組み入れた要綱に基づいて,昭和58年11月から福井赤十字病院において実施している。
 実際の対象は卵管性不妊で,保存的ならびに外科的療法を行うも妊娠成立をみず本法によらねば患者の挙児希望が達せられない症例に限っている。系統的検査により他に不妊因子がないこと,腹腔鏡検査を行い卵巣の所見とくに採卵が可能なことなどを確認したのち,患者およびその配偶者に対して本法の実施方法,成功率,腹腔鏡実施に伴う危険,児の異常発生の危険などについで十分な熟慮期間をおいた上で患者およびその配偶者の依頼に基づき所定の手続きを経て実施している。医師のほかに本法ならびにこれに関わる諸問題に精通した専門のカウンセラーをおき,患者ならびにその配偶者のケースワーカー的業務を行わせている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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