icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科39巻12号

1985年12月発行

ヒューマンバイオロジー--臨床への展開 先天異常--最近の診断と管理

遺伝相談--私はこうしている

保健衛生の立場から

著者: 片野隆司1

所属機関: 1広島市児童総合相談センター

ページ範囲:P.956 - P.957

文献概要

 遺伝相談に関する議論は,今までにも何度か繰り返されてきた。それにもかかわらず,それぞれの立場によって話題がむしかえされるのも,医療の体系からは特別のものと見られているからであろう。また,カウンセリングが論理的に事を運ぶのを目的にしながらも,クライアントの立場や状況によって結論が異なる場合もあるという流動的性格から,ますます理解しにくいものになっていると思われる。医師は科学的基盤の上で仕事をするものであり,特定の科をのぞけばカウンセリングになじみにくいばかりでなく,報告にもみられるように医師という立場もそれを困難にするようである。
 医療の実施機関を,治療や研究に直接たずさわるといった狭い意味に解釈すれば,衛生や民生といった行政分野は,疾病の予防や福祉を中心とする広い領域をサービスしていることになる。そうした立場から見た遺伝相談に,はたして医療機関で行われているものと異なる点があるのだろうか。そうした疑問に答えるために,遺伝相談ではナンセンスコールと呼ばれているものを例にして,私見を述べてみたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら