icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科39巻12号

1985年12月発行

文献概要

原著

子宮頸部上皮内癌および微小浸潤癌の細胞学的検討

著者: 金子義晴1 上原俊彦2 根本昌夫3

所属機関: 1香川医科大学母子科学講座 2高松赤十字病院産婦人科 3日立総合病院臨床検査科

ページ範囲:P.959 - P.963

文献購入ページに移動
 上皮内癌10例と微小浸潤癌12例について,細胞診所見と摘出標本の病理学的所見とを比較し,細胞診によって初期病変を鑑別する際の問題点について検討した。
1)正診率は上皮内病癌50%,微小浸潤癌75%であり,病巣の環状の範囲の広いもの,高令のものにoverdiagnosisとなる傾向があった。
2)Ⅰa期癌の細胞診所見はCISとⅠb期癌との中間の所見であり,細胞診のみでCIS診とⅠa期癌,あるいはⅠa期癌と浸潤の少ないⅠb期癌を完全に鑑別するのは困難であった。
3)採取法(綿俸かスクレーバーか)によって別々に診断基準を設定する必要があると思われた。
4)閉経後の細胞診の場合には,炎症等の影響により,不均等粗大クロマチンや腫瘍性背景とまぎらわしい所見が出現し,overdiagnosisの原因となっていたorverduagnosisの原因となっていたovereatmentを防ぐためには消炎後の再検等の工夫が必要である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?