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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科39巻2号

1985年02月発行

グラフ 胎児の機能診断

臍帯血流と胎児仮死

著者: 村上雅義1 千葉喜英1

所属機関: 1国立循環器病センター周産期治療科

ページ範囲:P.64 - P.65

文献概要

 近年,パルス・ドプラ法を用い非侵襲的な血流計測が可能となり,胎児機能検査のひとつとして,胎児循環動態の評価に用いられつつある.特に胎児仮死の診断において胎児血流変動を知ることは従来から広く用いられている心拍数変動単独よりもより成因に迫る情報を与えてくれる。本稿においては,胎児血流のうちでも中心的な位置を占める臍帯血流(特に臍(帯)静脈血流)に関して胎児仮死の面から述べることにする。
 図1,図2にパルス・ドプラ法により得られた臍帯動脈,臍帯静脈の血流速度スペクトラムを示す。0で示す基準線よりも遠く離れるほど,速い血流成分を表わす。臍帯動脈は収縮期に立ち上がりをもつ速度分布波形を示すのに対し,臍帯静脈は通常定常流である。超音波断層像で血管径を計測すれば,単位時間ごとの血流量も求められる。妊娠後期の臍(帯)静脈の最高血流速度,血流最は25cm/sec前後,200ml/min前後の値をとる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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