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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科39巻2号

1985年02月発行

文献概要

トピックス

動物性脂肪の多量摂取者に卵巣がんが多い

著者: 広井正彦1

所属機関: 1山形大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.98 - P.98

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 近年,わが国でも出産回数の低下と長命化傾向のせいか,卵巣がんが多く発見され,その原因などで関心がみられている。その疫学的要因として未産婦,家族歴に癌のあるもの,タルク使用者,更年期でホルモン使用者などがハイリスクであり,経口避妊薬服用者では危険が減少するといわれている。しかし,近年の卵巣がんの発生には食餌の因子も無視出来ないものと思われる。
 そこでCramceら1)は,年齢,教育レベル,宗教,出身などがほとんど同じような対照をも加え,卵巣がん患者215例につき検討した。とくに患者215名と対照者215名のそれぞれに,以下の食餌と飲料につき「摂取しない」「週1回以下」「少なくとも週1回」の3群にわけて調査した。これによると,卵巣がん患者には全乳(whole milk),バターを摂取する者が有意差をもって多く,粗相対危険率は全乳で1.03,バターで1.24であった。一方,スキムミルク(skim milk),マーガリン,魚を摂取する者は卵巣がん患者で有意に少なく,粗相対危険率はそれぞれ0.58,0.64,0.26であった。チーズ,鶏卵,赤肉またはシチメンチョウは両群者に大きな差異はなかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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