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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科39巻2号

1985年02月発行

トピックス

ゴナドトロピン産生下垂体腺腫に対するブロモクリプチンの臨床効果

著者: 田部井徹1

所属機関: 1自衛隊中央病院産婦人科

ページ範囲:P.115 - P.115

文献概要

 下垂体腫瘍は,ホルモンを分泌する機能性と分泌しない非機能性に大別される。機能性のうち過剰の成長ホルモン(GH)を分泌するGH産生腺腫が最も多く,通常色素嫌気性細胞より成り,末端肥大症を呈する。また,過剰の副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)を分泌する腺腫は色素嫌気性のことが多く,クッシング病を呈する。一方,過剰の甲状腺刺激ホルモン(TSH)を分泌する腺腫は数例が報告されているに過ぎず,極めて稀である。ときに末端肥大症を呈する下垂体腺腫が,GHとともにTSHを分泌することも報告されている。
 Albrighlらは,末端肥大症を伴わない下垂体体腺腫の患者が乳汁分泌過多を示した症例を報告し,プロラクチン(PRL)分泌の過剰て.あることを推測した。最近におけるPRL測定法の進歩により,従来は非機能性と考えられていた腺腫の中にも,PRLを分泌している腺腫が存在していることが判明した。PRL産生腺腫は,色素嫌気性のことが多く,ときに好酸性を示し’臨床的には腫瘍増大によりトルコ鞍を圧排し破壊するために視力障害を起こすことがあり,女性患者は過剰PRL分泌による乳汁漏出性無月経を訴え不妊となることが多いが,通常ゴナドトロヒン値は低い。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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