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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科39巻3号

1985年03月発行

文献概要

グラフ 胎児の機能診断

心拍出量と胎児仮死

著者: 金岡毅1

所属機関: 1福岡大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.140 - P.144

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 胎児心拍出量の測定は,かつて動物の胎仔において,色素稀釈法,アイソトープ法,インピーダンス法など侵襲的な測定法によって,実験的に測定されていた。ところが最近,超音波断層法の発展により,ひとの胎児でも非観血的に心拍出量が測定できるようになった。その測定法を図1〜図3に示した。この方法では超音波リアルタイム・スキャンを用い,子宮内胎児の左・右心室容量を測定し,拡張期終末end-diastolic phaseの容量から,収縮期終末end-systolic phaseの容量を差し引いたものを,それぞれ左・右心室の心拍出量とするわけである。本法は技術的にやや困難で,測定の正確さにも多少の問題があり,いまだに産科臨床に直結したオン・ライン診断法とはいえないが,胎児超音波診断の未来を示す興味深い診断法のひとつといえる。
 図4は羊のデータに基づく心拍出量の分布を示したもので,卵円孔や動脈管などのシャント・フローが多い胎児循環系においては,左心室の拍出量がそのまま心拍出量ではなく,むしろ左右両心室の拍出量を合計したものを心拍出量と考えたほうが良いのかもしれない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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