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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科39巻3号

1985年03月発行

指標

乳腺発育の内分泌的調節

著者: 武谷雄二1 水野正彦1

所属機関: 1東京大学医学部産科婦人科教室

ページ範囲:P.145 - P.152

文献概要

 ヒトを含む哺乳動物の特徴の1つである母乳哺育は,一連の生殖過程の最終段階であり,種族保存に重要な意義を有している。ヒトにおいてこそ人工栄養法の開発により,母乳分泌の良否は児の死活問題にまではならないが,近年,栄養学的,免疫学的あるいは母子関係の早期確立といったさまざまな立場から母乳の利点が強調され,母乳が哺育上理想的なものであることは衆目の一致するところである。
 妊娠中の乳腺の発育の調節は,母乳の恩恵に浴すべき胎児由来,またはそれの附属物である胎盤由来のホルモンが,直接的または,母体内分泌環境を変化させることにより行われる。分娩を契機として乳腺はその本来の営みである乳汁分泌現象が一気に開花するが,これも児の娩出という現象により誘起され,一旦発来した乳汁分泌は児の吸引刺激により維持される。以上の如く乳腺は母児間の巧妙な合目的的な相互作用により,その固有の機能を発現するのである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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