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症例
卵巣腫瘍を推定された後腹膜脂肪平滑筋腫の1例
著者: 菅三知雄1 冨浦一行1 福士明1 高野敦1
所属機関: 1弘前大学医学部産科婦人科学教室
ページ範囲:P.199 - P.201
文献購入ページに移動患者は心窩部不快感を訴えて他医を受診し,下腹部の腫瘤を指摘されて当科に紹介となった。術前の検査では,超音波断層法でechogenicなmassがfloating様に描出され,CTスキャンで腫瘤が骨盤腔を占拠し,fat densityを含む多彩な内部構造を示した。また,腹部単純X線写真で石灰化の所見がみられたことなどから,卵巣類皮嚢胞腫を推定されたが,手術および摘出腫瘤の検索では,後腹膜腔から生じた脂肪平滑筋腫の所見であった。後腹膜腫瘍は比較的まれとされているが,本例のような脂肪平滑筋腫の報告はほとんどみられない。また,特に,今回得られた超音波断層法やCTスキャンの所見は興味深く,特徴的であると思われた。
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