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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科39巻4号

1985年04月発行

文献概要

臨床メモ

過期妊娠におけるfetal distressは羊水減少による臍帯圧迫が原因

著者: 貝原学1

所属機関: 1東大分院産婦人科

ページ範囲:P.258 - P.258

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 従来より過期妊娠でfetal distressが発生するのは,胎盤の老化による胎盤機能不全がその主な原因であると考えられていた。しかしながら,最近,過期妊娠におけるfetal dis—tressの原因は,胎盤機能不全に基づくというよりも,羊水量の減少による臍帯の圧迫がより重要であると指摘した論文が報告されている。
 Jevenoら1)は,fetal distressのために帝主切開術が施行された過期妊娠の59例について,帝切の適応となった胎児心拍数図の異常について分析した。その結果,胎盤機能不全に特徴的な遅発性徐脈は,わずか3例に認められたにすぎず,大部分はprolonged deceleration (60bpm以下の心拍数が2分間以上持続する場合)や重症な変動性徐脈などで占められていた。またsaltatory baselinepatternが認められる場合も多かった。これらの異常パターンはいずれも臍帯が圧迫された時に発生する所見であり,過期妊娠におけるfetaldistressは臍帯の圧迫と密接な関係にあることを物語っている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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