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ヒューマンバイオロジー--臨床への展開 Fetal Surveillance--その臨床的対応 Topics
胎児肺の成熟とphosphatidylglycerolおよびphosphatidylinositolの臨床的意義について
著者: 樋口誠一1
所属機関: 1秋田大学医学部産科婦人科教室
ページ範囲:P.259 - P.261
文献購入ページに移動 肺表面活性物質(肺サ)のphospholipidの74%はphosphatidylcholine (PC)で占められているが,phos—phatidylglycerol (PG)やphosphatidylinositol (PI)もまたその構成成分の一つである。成熟動物でのPGの含有率は11%と報告されており,PCにくらべてかなり少ないが,それでもPCの次に多いphospholipidである。そのため,PGはPCとならび肺サのmajor com—ponentとなっている。しかし,PIは肺サのphosphol—ipidsの6%程度であってPGよりさらに少ない。
PGの肺サの成分としての役割については,まだあまりよくわかっていない。しかし,PGが肺サの機能を高める作用を持つことが知られている。すなわち,肺サのPGの脂肪酸はそのほとんどが飽和脂肪酸で構成されているので,肺サの表面張力をより低下させ,肺胞の虚脱を防ぐという。また,肺サの肺胞被覆層における肺サのリポ蛋白との結合をカルシウムイオンの存在下でtightにする働きをもつともされている。
PGの肺サの成分としての役割については,まだあまりよくわかっていない。しかし,PGが肺サの機能を高める作用を持つことが知られている。すなわち,肺サのPGの脂肪酸はそのほとんどが飽和脂肪酸で構成されているので,肺サの表面張力をより低下させ,肺胞の虚脱を防ぐという。また,肺サの肺胞被覆層における肺サのリポ蛋白との結合をカルシウムイオンの存在下でtightにする働きをもつともされている。
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