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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科39巻4号

1985年04月発行

文献概要

症例

本態性血小板血病合併妊婦の1例—2回の妊娠,分娩経過について

著者: 後藤重則1 花岡仁一1 小川弘良1 徳永昭輝1 塚田恒安2

所属機関: 1新潟市民病院産婦人科 2新潟市民病院内科

ページ範囲:P.277 - P.281

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 本態性血小板血病とは血小板のみの増加をみる原因不明の稀な疾患である。本疾患は高齢者に多く,妊娠に合併することは稀でその報告も極めて少ないが血液学的には興味深い。われわれは本疾患患者が2回にわたって妊娠,分娩をした例を経験したので報告する。本症例は2回とも妊娠中,血管閉塞症状および出血症状など呈さず順調に経過し,正常経腟分娩し児にも異常は認めなかったが第2回目の胎盤は巨大胎盤であった。血液学的検査においては,出血凝固検査,血小板凝集能検査は妊娠初期,後期,産褥において正常範囲であり変動は認められなかった。白血球は妊娠経過とともに増加し核の左方移動が出現し,妊娠に本疾患の合併したための影響と思われた。また血小板は第2回目の妊娠中著明に減少を認め,平均血小板容積は増大傾向にあり,疾患が改善したのではなく妊娠による血小板消費の増加のためと推測された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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