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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科39巻6号

1985年06月発行

文献概要

特集 図でみる病態産婦人科学--適正治療のために 生殖・内分泌

多嚢胞卵巣症候群

著者: 平川舜1 小島栄吉1 椎名一雄1 油田啓一1 武井成夫1

所属機関: 1東邦大学医学部第一産婦人科学教室

ページ範囲:P.369 - P.378

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 多嚢胞卵巣症候群(PCOS)の病態生理のうち内分泌学的特徴は,中枢からのLHの過剰分泌と卵巣でのアンドロゲン(Aと略)過剰産生・分泌,エストロゲン(Eと略)産生異常に代表される。しかし,本邦婦人に分布するPCOSは,A過剰産生・分泌に起因する男性化徴候を伴わないのが特徴といわれ,多彩な臨床像をもつPCOSを一層複雑にしている。
 今回は,PCOSの概念と定義をできるだけ明確にし,病態生理からみた診断基準と,それに基づく診断の手順を提示する。また,最近の本症に対する治療法の主体はクロミフェン,グルココルチコイド,ゴナドトロピン(Gと略)などによる薬物療法に変わりつつあり,外科療法である楔状切除術(楔切術と略)の適応は次第に限定される傾向にある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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